ZENAIM INSIDE STORYは、ゲーミングギアブランド『ZENAIM』に携わるプロジェクトメンバーを通して、ブランドの魅力を伝えるコラム企画です。
フォーカスパーソン
本田 智也(Tomoya Honda)
ZENAIM 開発チームで設計を担う本田。VALORANTの累計プレイ時間は 1,000 時間を超える。「プレイヤーの指先の“意識”を理解していないと、本当の意味でいいデバイスは作れない」と語るように、自らプレイヤーとしての感覚を頼りに、日々チューニングと検証を重ねている。
ZENAIM KEYBOARD2 miniが解き放つ、プレイヤーの感覚

インタビュアー:新しいZENAIM KEYBOARD2 miniの開発では、どんな点を重視されたのでしょう?
本田:まず一番は、“プレイヤーがどれだけ自然に動けるか”です。テンキーレスよりさらに小型化することで、マウスの可動域が広がり、肩の開きも自然になる。これって、操作しているうちに「あ、身体がラクだな」ってすぐ気づくレベルなんですよ。プレイヤーの身体と動作を制限しない設計にしたかったんです。
インタビュアー:なるほど。サイズの話ではなく、“感覚の自由”をデザインしているんですね。
本田:まさにそこです。60%サイズって単に小さいだけじゃない。「限られたスペースの中で、どれだけZENAIMらしい精度を出せるか」。見た目以上に、内部構造の追い込みが必要でした。削ぎ落とした分だけ、精度と応答の純度を上げる。それがZENAIMの設計思想なんです。
環境ごとに最適化する、“生きたチューニング”
インタビュアー:今回のモデルでは、デッドゾーンの改良もさることながら、ユーザーキャリブレーションの実装も大きなポイントですよね。
本田:そうですね。ここは正直、めちゃくちゃこだわりました。自分自身もプレイヤーとして実感するところですが、同じキーボードでもプレイする環境によって操作の感覚って全然変わるんですよ。温度、湿度、机の材質、手の状態……全部違う。だから、「誰が、どこで使っても最適に動く」ようにしたかった。
インタビュアー:そのために、ユーザーキャリブレーション機能を?
本田:はい。ユーザーキャリブレーションって聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、要は“自分の環境に合わせて、デバイスをチューニングできる”ということなんです。これまではメーカーが決めた設定に合わせてもらう形でしたが、今回は“ユーザーが主役”なんです。
プレイヤー自身が、自分の感覚を最適化できる。それが、ZENAIMが目指してきた「プレイヤーとデバイスが一体化する感覚」です。

“全方位の満足”を追い求めて
インタビュアー:本田さんが設計の現場で、一番こだわっていることは何ですか?
本田:“全方位の満足”です。デザインだけでも、スペックだけでもダメ。手に取った瞬間に、「あ、これ全部いいな」って思えることが大事なんです。見た瞬間に「かっこいい」と思って触ってみたら「性能も最高だった」。そんな体験を作りたいんですよね。
インタビュアー:ZENAIMの品質に通じる考え方ですね。
本田:そうですね。ZENAIMの製品は、派手さよりも“手触りの正確さ”で勝負していると考えています。細かいズレや音、打鍵感といった全てが、ユーザーのパフォーマンスに直結します。だから妥協は一切できないんです。妥協するくらいなら、出さない。自分がプレイヤーとして触って心から“これだ”と思えるまで仕上げたいですね。
そこにこだわれるかどうかが、プレイヤーの「一瞬の勝ち」を支える道具になれるかどうかに繋がってくると考えていますし、最終的にユーザーの満足感につながると信じています。
インタビュアー:本田さんのお話を聞いて、ZENAIMのものづくりへのこだわりと、ユーザーへの想いをより深く知ることができました。今日はありがとうございました!
本田:こちらこそ、ありがとうございました。これからもZENAIMの製品にぜひご期待ください。
