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COLUMN 2026.03.28
コラム

アケコンコラム第1回:パフォーマンスは何によって決まるのか?

アケコンコラム第1回:パフォーマンスは何によって決まるのか?

「ZENAIM ARCADE CONTROLLER LEVERLESS」に先行して発売しました「ZENAIM ARCADE CONTROLLER BUTTON MODULE KIT」と、開発コラム「なぜZENAIMは、レバーレスアケコン用ボタンモジュールキットを先に開発したのか?」について、当時多くの評価と反響の声をいただきました。皆様、ありがとうございました。
さて、本コラムでは、2026年4月15日(水)にいよいよ発売する「ZENAIM ARCADE CONTROLLER LEVERLESS」について、製品コンセプトや開発プロセスを全4回にわたって連載します。
どのようなこだわりを注ぎ込んだプロダクトなのか?連載コラムを読んでいただきながら、発売を楽しみにお待ちいただますと幸いです。

最初に、皆さんにお尋ねしたいことがあります。
格闘ゲームをプレイしていると、このような経験はないでしょうか?

  • トレーニングモードでは安定して出せる技が、試合になると突然ミスする
  • 同じ入力をしているはずなのに、思った通りに動かない
  • 長時間プレイしているうちに、だんだんと指が迷い始める

多くの場合、その原因はプレイヤーの技術や集中力にあると考えられがちです。しかし実際には、もう一つ見落とされがちな要因があります。
それは、入力環境です。

格闘ゲームのパフォーマンスは、プレイヤーの技術だけでなく、入力デバイスの状態にも大きく左右されます。ボタンの押し心地や入力精度だけでなく、筐体の重さや厚み、手のひらを置くスペース、設置したときの安定感など、さまざまな要素がプレイ中の感覚に影響を与えます。
これらがわずかに噛み合わないと、プレイヤーは無意識のうちに違和感を覚え、身体反応で補正動作を行うようになります。

  • ボタンを押す前に確認してしまう
  • 筐体が動かないように手で押さえる
  • 手首の位置を何度も調整する

こうした小さな補正は、プレイの中ではほとんど意識されません。しかし積み重なることで、次第に入力の精度や集中力に影響を与えます。
私たちは、このようなプレイの邪魔をする要素を「入力ノイズ」と呼んでいます。
入力ノイズは、ボタン性能だけで生まれるものではありません。むしろ多くの場合、それは筐体の設計から生まれます。
たとえば、軽すぎる筐体は操作中にわずかに動きます。逆に重すぎると、膝置きでの長時間プレイが負担になります。サイズが小さすぎれば手のひらを置くスペースが足りず、姿勢が安定しません。それぞれの要素単体では小さな違和感でも、プレイを続けるほどに集中を削っていきます。

ZENAIMがアーケードコントローラーの開発で目指したのは、プレイヤーの集中を乱す要素を徹底的に取り除くことでした。
「長時間のプレイでも集中を損なわず、挑戦を支え続けるデバイス」「プレイヤーの心身に余分なストレスを与えず、技の追求に没頭できる環境を作ること」
ZETA DIVISION ストリートファイター部門 プロ選手陣との共同開発の中でも、「格闘ゲームの競技シーンにおける”本番の試合時間”はごくわずかであり、他の時間のほとんどは日々の練習やプレイに費やすことになる。だからこそ、コントローラーはその時間を実りあるものにする助けとならなくてはならない」という確信を得ました。
だからこそ、私たちは「試合の瞬間」だけでなく、プレイヤーが積み重ねるすべてのプレイ体験に目を向けました。ゲーム以外のわずらわしさを削ぎ落とした先にあるのは、すべてのプレイヤーが純粋にゲームへ没頭できる状態です。

では、その環境を実現するために、アーケードコントローラーの筐体にはどのような設計が求められるのでしょうか?
そして、入力ノイズをできる限り削ぎ落として、プレイヤーが持つ本来のピュアなパフォーマンスを解き放つために、アーケードコントローラーには一体何ができるだろうか?
この問いをもとに、次回は、レバーレスコントローラーにおいて避けて通れないテーマ、「軽さ」と「安定性」のバランスについて掘り下げていきます。

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