今回は、ZENAIM KEYBOARD2 TKLおよびminiの価格改定の背景について、ZENAIM開発チームにインタビューしました。製品としての価値を守りながらも、“より多くの方にZENAIM KEYBORADを届ける”ために、舞台裏で何が行われていたのか。その思いと挑戦に迫ります。
価格へのこだわり
Q:
まず、ZENAIM KEYBOARD2のTKLおよびminiの価格設定には、どのような思いが込められているのでしょうか?
A:
私たちの製品は販売開始当初から、機能性やデザイン性はもちろん、細部にわたるさまざまな工夫をこれまでご評価いただいてきました。
ただ、そのぶん価格が高くなってしまい、「手が届きにくい」という声をいただくこともありました。だからこそ今回、mini(60%)サイズの新モデル開発を機に、“もっと多くの方にこのキーボードを体験していただきたい”という想いのもと、コスト構造を徹底的に見直しました。
その結果、ZENAIM KEYBOARD2 miniは29,800円(税抜)、ZENAIM KEYBOARD2 TKLも原価低減の成果を反映し、36,000円(税抜)という価格でリリースできるようになりました。
「価格が高い」という声と向き合って
Q:
「価格が高い」というフィードバックに対して、社内でも大きなテーマとして議論が重ねられたと聞いています。
A:
はい。次期製品の開発にあたっては、変えてはならない部分と変えるべき部分を明確にするため、メカ部品、基板、電子部品を含めて、チーム全体で徹底的な洗い出しと議論を行いました。
ときにはブランドの原点に立ち返りながら、”期待してくださるお客様のために、何としてでもやり切る”という覚悟で、販売価格を少しでも下げることができるように取り組みました。
物価高騰と人件費上昇の壁
Q:
原価を下げる上で、どんな障壁がありましたか?
A:
やはり、昨今の物価高騰や人件費の上昇が大きな壁でした。私たちがコストを下げようと動いていても、外部環境は真逆の流れ。想定通りに進まないことも多く、難しさを痛感しました。
それでも実現できた理由
Q:
それでも価格を抑えることができた理由は、どこにあるのでしょうか?
A:
一言でいえば、”量産に関わるすべてのコストの見直しを行ったから”です。
調達部、生産技術部、生産部、そしてサプライヤーの皆さまにもこれまで以上にご協力をいただきながら、製品に使われる一つひとつの部品の仕様や調達ルートまで細かく再検討しました。
たとえば、樹脂部品や金属加工部品の製造工程の改善、数百点にのぼる電子部品の中から、たとえ数円でもコスト削減の可能性があれば、別の部品に置き換えられないか?使用量を削減できないか?といった検討を積み重ねてきました。もちろん、性能を犠牲にすることはできないため、品質試験による検証も同時に実施しています。
また、需要予測をもとに生産ロットを拡大し、サプライヤーとの価格交渉も繰り返してきました。
製品の設計から調達、製造までを一貫して見直し、関係者全員で諦めずに改善を続けてきたことが、今回の価格改定を実現できた最大の理由です。
読者への皆さまへメッセージ
Q:
最後に、ユーザーや読者へのメッセージをお願いします。
A:
ZENAIMブランドの立ち上げ初期から、ユーザーの皆さまからいただいた応援の声、そして改良や機能に関するご要望に、私たちは向き合ってきました。その積み重ねが、今回の新製品のリリースにつながったと感じています。この場を借りて、あらためて皆さまに心より感謝申し上げます。
大変長らくお待たせいたしましたが、ついにZENAIM KEYBOARD2として、TKLサイズとmini(60%)サイズの2製品をお届けすることができます。
今回の製品には、”より多くの方に手にとっていただき、ZENAIMを体験していただきたい”という強い想いと、それを実現するために関係者一同が取り組んだ地道で泥臭い改善のストーリーが織り込まれています。この新たなZENAIM KEYBOARD2が、皆さまのゲーム体験をさらに豊かにする一助となることを願っております。
そして、今後もユーザーの皆さまの反響とご要望の声を受け、ZENAIMはさらなる改良と進化を続けていきます。ユーザーとデバイスが、そしてユーザーとブランドが共鳴し、互いに高め合う関係こそが、ZENAIMの掲げる「WELL GAMING」というコンセプトの体現であると信じています。幸福なゲーム体験をともに作り上げていきましょう。